アフガニスタン元留学生・家族緊急退避受入の経緯と意義



 8月下旬、大学はアフガニスタンの元留学生とその家族11名を迎え入れました。タリバンが政権を掌握した母国から退避して来た方々で、今後半年間は寮で生活するそうです。10月中旬にはさらに1家族10名を受け入れました。


 1年前に米軍が突然撤退しタリバン政権が復活した時、日本政府は現地の大使館員とJICA職員とその家族は退避させましたが、前政権内部やその他の組織で働いていた元留学生に関してはタリバン政権の迫害を受ける危険があるにも関わらず何も対処はしていません。

 そもそも2001年に同時多発テロを起こしたアルカイダをタリバンが匿ったという理由でアメリカがアフガニスタンに侵攻したときに日本もそれを支援しました。が、タリバン政権を倒して新政権を樹立した際には、日本政府は復興支援で人材育成のためとしてアフガニスタンからの留学生を国費などで積極的に受け入れてきたのです(20年間で1400人)。留学生たちは日本で知識や技術(農業技術や平和構築など)を学んだだけではなく、民主主義や基本的人権などの価値観も身につけましたが、それが今ではタリバンの政策と相容れないために、追放や迫害の対象となってしまいました。そこでPCS(Peace and Conflict Studies、平和構築紛争予防研究)の酒井啓子先生(現千葉大)が中心となり「教え子を救え!」プロジェクトを立ち上げ、政府にも働きかけを続けましたが、協力は得られていません。そこで大学教員や民間団体が支援を募って何とか退避させようと努力しているのが現状です。外大では林佳世子学長が1年前から元留学生受け入れを決断し、やっと実現の運びとなりました。


 アフガニスタンへのは日本での関心が薄いのも問題です。ウクライナからの避難の場合は日本でも関心が高く、政府は「避難民」として受け入れ、自治体などの支援もあるようですが、アフガニスタンの場合は単に「退避」とされます。就労や留学のビザ取得、大家族の渡航費、来日後の住居や生活費のことなどハードルが高いのです。日本に、この東京外国語大学に、留学したのが原因となって現在苦境に陥っているとしたら、私たちは見過ごすわけには行きません。支援の会は元留学生にもできる限りの支援をしていくつもりですので、会員の皆様にもご理解をお願いいたします。


 最近アフガニスタン退避者98名が難民認定されたとの報道がありました。日本政府の難民認定としては異例の多数ですが、元日本国大使館職員とその家族であるとされています。もちろん元留学生は対象ではありません。


 最後にご参考までに本学PCSの伊勢崎賢治先生のコメントをクラウドファンディング(終了)のページから引用させていただきます。


 2001年、9月11日にアメリカで起きた同時多発テロを契機に、その首謀者を匿ったタリバン政権への報復で始まったアフガニスタン戦争。これは、日本を含む西側諸国の「自由と民主主義」という正義を守る世界戦争に発展し、タリバン政権を倒します。その後、アメリカ・NATO軍は駐留を続けながら、この国を二度とテロリストの温床にしないための国づくりが始まりました。日本は西側諸国と共に、私たちと同じ正義によりこの国を統治させるべく、アフガン人の人材育成をリードしてきました。大学への留学制度はその一つです。その試みは20年間を経て、残念ながら昨年2021年8月、アメリカ・NATO軍の完全敗退とタリバン政権の復活という形で幕を閉じました。現在、私たちが手塩にかけて育てたアフガン人とその家族は、「裏切り者」ということで、様々な形の脅迫の中で暮らしています。既に犠牲になった人々もいます。これは当然予測されたことで、だからこそ西側社会はそれぞれの大使館を閉め退避する時に、同邦人だけでなく、留学経験者を含むアフガン人「協力者」たちを、国の名をかけて救出し、それぞれの国で生活再建させるべく特別措置を講じているのです。残念ながら我が国日本は、その救出が出遅れただけでなく、やっと日本に到着した人々に対するケアは十分というには程遠いものです。私たちは引き続き日本政府に対処をお願いする運動を続ける所存ですが、今この瞬間に、退避に成功した家族への支援が必要です。ご支援のほどをよろしくお願いします。

https://camp-fire.jp/projects/view/591573?utm_campaign=591573&utm_medium=stepmail&utm_source=report


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