​東京外国語大学で学ぶ外国人留学生の現状

 外語大で学ぶ留学生 その1

 

 多様な類型の留学生の現状

       

 現在の事態の下で一体どんな種類の留学生が何人外語大で学んでいるのか。それを示したのが下表です。
 在籍留学生の総数は667名と、昨年と比較して2割近い減少で、渡航制限の影響が如実にみられます。注意したいのは、在籍者のなかには、入学したが来日できないでいる学生、一時帰国や外国旅行で出国して戻れないでいる学生も含まれることです。それらを除くと600名以下になるかもしれません。

 2割近い減少といっても、正規生はほとんど変化していないのに対し、交換留学生は半分近くまで激減しており、留学生の区分によって大きな相違のあることがわかります。その最大の理由は、留学期間の長短の相違です。正規生は長期の留学なので前年度からの継続在籍者が大部分であり、かつ新規入学の辞退者も生じなかったので減少しなかった。他方、交換留学生の場合は半年~1年と比較的短期なので前年度在籍者の半数は修了して帰国した一方で、コロナ禍の下で新たに来日する学生がいなかったわけです。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここで表を参照しながら、どのような種類の留学生が東外大で学んでいるのかを簡単に説明しておきます。

 正規生とは、要するに東外大の正式の学生です。入試を受けて入学し、学部だと4年間、大学院だと前期2年間、後期3年間以上、定められた科目や課題を履修、完了し、学士、修士、博士などの学位取得を目指す長期間の留学生です。大学院生が多いのも特徴ですが、博士後期在籍者のなかには日本留学生活10年間以上という学生もいます。入学には高度の日本語力が必要なので、東アジアの漢字文化圏出身者が大部分を占めています。

 研究生とは、既に大学あるいは大学院を卒業,修了したうえで、特定のテーマを深めるために指導教員の下で1年間の学習、研究を行う仕組みです。単位取得や卒業資格はありません。学部課程が大部分という特徴がありますが、それは大卒者が大学院進学の準備期間として在籍するケースが大部分だからです。1年で目的を達成できなかった場合は、1年間延長することができます。実際2年間在籍する例が多いです。研究生も日本語能力が前提されるため、漢字文化圏出身者が大部分を占めます。

 交換留学生とは、単位互換や授業料免除を含む学生交流に関する協定・合意を結んでいる外国の大学等(現在65か国172機関)の学生を、本学学生の留学派遣と交換のかたちで半年~1年間受け入れるものです。そのために特別に組織された「国際教育プログラム(ISEP)」を履修しているのでISEP生とも呼ばれます。出身国が多様であり、大学2~3年生段階の比較的若い学生が多いのが特徴です。交換留学生は4月、10月と年2回やってきます。

 表で「その他」とされているのは、日本政府(文部科学省)奨学金留学生のうち「日本語・日本文化研修留学生」で、秋学期から1年間の短期留学生です。

 実は、日本政府奨学金制度により文部科学省によって特別に選考された留学生には、「国費学部留学生」(毎年60名前後)、「国費研究留学生」(毎年20~30名)、「国費教員研修留学生」(毎年数名)もいます。これらの学生は、本学の留学生日本語教育センター(JLC)で学んでいるので、上記の表には含まれていません。

 とはいえ、これらの学生も東京外国語大学で学ぶ留学生なので、それを加えると昨年の留学生数は実は900名近かったことになります。さらに超短期の語学、体験プログラムなどで学ぶ外国人学生もいます。

 このように多様な外国人留学生が学んでいるわけですが、政府や大学の留学生支援策には正規生に重点が置かれる傾向があります。正規留学生に対し日本人正規学生と同等の条件を保証することに注力するのは、制度的には当然のことかもしれません。けれどもその反面で、非正規生である研究生や交換留学生が公的な支援策の対象外となるのは残念なことです。私たち支援の会では、あらゆる種類の留学生に対するわけへだてのない支援をこころがけていきたいと思います。 


 
 

上位10国.jpg
2020留学生数.jpg