2001年のタリバン政権崩壊後、日本はアフガニスタンの復興、民主化支援のために積極的に留学生を受け入れました。帰国して活躍していた元留学生たちですが、昨年のタリバン復権に伴い深刻な危機に直面しました。そんな教え子たちの窮状を知った本学教員を含む留学時の指導教官が協力してクラウドファンディングで資金を集め、アフガニスタン元留学生とその家族の日本への緊急退避を支援するプロジェクトが立ち上げられました。
7月の支援の会総会では、その発起人の一人でもある林学長から、本学でも2家族20余名を受け入れるので、支援協力をお願いしたいという依頼を受けました。その後の幹事会では、受け入れ窓口となる国際化拠点室やPCSと連絡を取りながら、会として可能な支援を行うことを確認して到着を待ちました。現地の厳しい状況により出国が遅れましたが、最初の家族11名が8月31日に、2番目の10名が10月18日に来日し、キャンパス内国際交流会館の家族室に入居しました。
会では交流会館内の連絡室担当幹事を中心に家族の方々とコンタクトを取り、これまでに日常生活に必要な自転車、衣類、寝具、家具、調理器具、食器などを会の備蓄品あるいは会員の提供によって提供してきました。9月25日には幹事会終了後1番目の家族全員と対面して相互に自己紹介し、困ったことがあれば気軽に相談して欲しいと伝えました。その際、元留学生の父親が「物よりも精神的な支援がうれしい」とおっしゃったのが印象的でした。
両家族とも元留学生夫婦と子供、孫および高齢の親の4世代家族です。育児、通学、進学、就職さらには介護と多様な課題に直面しています。さらに交流会館の滞在期限は来年8月なので、それまでに大家族が暮らせる住宅を確保する必要もあります。これらの困難に比して、会が支援できる範囲は非常に限定されています。とはいえ、家族の方々とのスキンシップ的な交流を大切にし、そこから日常の小さなニーズを聞き取とりながら、支援の会ならではの支援に取り組んでまいります。
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